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現職国会議員に中国のスパイがいるという情報によって、極秘に警視庁外事課に捜査本部が設置された。指揮官として警察庁から女性キャリア理事官が送り込まれるが、百戦錬磨の捜査員たちは独自に捜査を進める。その線上に浮かんだのは、次期総理の呼び声高い芥川健太郎だった。(講談社文庫)
第53回江戸川乱歩賞受賞作!
乱歩賞史上最高の公安警察ミステリー!
長い眠りから目覚めたスパイは現職の国会議員だった――。
現職国会議員に中国のスパイがいるという情報によって、極秘に警視庁外事課に捜査本部が設置された。指揮官として警察庁から女性キャリア理事官が送り込まれるが、百戦錬磨の捜査員たちは独自に捜査を進める。その線上に浮かんだのは、次期総理の呼び声高い芥川健太郎だった。
凸井の意表を突く容姿といい、「肉まん」や「海坊主」等スパイたちの暗号名といい、どこかコミカルというか抜け抜けとしたこの著者ならではの意匠が感じられよう。むろんそこには政治のためなら人を酷使し廃棄することなど気にもかけない権力組織のありようを徹底的にカリカチュアライズする目論見があるに違いない。いいかえれば、全篇に漂う黒々としたユーモアもこれまでの日本の国際謀略・スパイ小説にはない本書独自の魅力なのである。――<香山二三郎「解説」より>
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