新しい糖尿病の治療

新しい糖尿病の治療

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出版社
新興医学出版社
著者名
加来浩平
価格
4,950円(本体4,500円+税)
発行年月
2010年6月
判型
B5
ISBN
9784880026824

(序文より抜粋)
 糖尿病患者数の急増は目覚ましい.一方で,近年の大規模アウトカム試験は,血管イベント発症あるいは総死亡の抑制には,より早期からの介入とともに,血糖のみならず血圧や脂質の管理を含めた統合的治療が重要であることを示唆している.糖尿病病態は常に進展しており,病態が進行するのを待ってからの介入では,もはや長期間の良好な管理は困難となることは,明らかである.すなわち血糖管理を例にとると,病態が進み,血糖管理が困難になってからの介入ではなく,病態進展をさせないためのproactiveな介入が求められることになる.このように幾多のエビデンスの蓄積によって,糖尿病管理のあり方は大きく変わろうとしている.
 本書は,現時点での糖尿病の管理の最新の知見を網羅することを念頭において企画した.インクレチンエンハンサーとしてDPP-4阻害薬あるいは,インクレチンミメティックスGLP-1受容体作動薬の登場は,単に血糖管理に新たなツールを増やしただけに留まらず,2型糖尿病へのproactiveな介入をより可能にするものと期待される.またiPS細胞を用いた膵β細胞再生の試みは,今後乗り越えるべきハードルはあるものの糖尿病の根本的な治療への幕開けと夢は膨らむ.本書が,糖尿病治療の最新知見の紹介にと留まるのではなく,糖尿病管理の本質を伝え,治療のレベルアップに貢献することを強く願うものである.

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