" 21世紀はアジアの時代といわれ,日本,中国,韓国の連携が強く求められている。地球温暖化や高齢社会など世界共通の問題のみならず,アジア広域観光圏など大交流時代を迎え様々な問題が派生してきている。日本は海外からの訪問者数が2020年に2,000万人に達することを目標としている。GDPなどの経済指数が飽和傾向にあり,産業構造も変遷し観光産業などにシフトしたアジア交流に期待が高まっている。人の大交流時代を迎えるということは情報内容と量も様変わりすることを意味する。情報機器の重要性と共に一人一人が情報を選択する能力,まとめる能力,発信する能力が望まれる。コミュニケーション能力である。
このような社会環境に伴い,文部科学省はすべての小中高等学校にコンピュータとインターネット環境を整備し,コミュニケーション能力向上が必要であるとの見解を示している。すなわち,いまや小学校からコンピュータを用いたコミュニケーション能力の育成が求められているのである。教師のプレゼンテーション能力も授業で発揮できる環境が整備されている。ハードとしても高度情報通信ネットワークが構築されつつある。毎年,コンピュータとネットワークのスピードが高速化している。コンピュータの使い方のみならずハードの概要も知らないと十分な能力を発揮できない状況にある。高等学校後の情報教育はどうあるべきかという問いに答えることは難しい。まず,情報機器に慣れることから始め,使いこなすレベルにないと仕事や社会生活に支障をきたす。専門学校,短期大学,大学においては各人の専門などをまとめプレゼンテーションができる能力が問われる。単に,依頼された単純な仕事を行うのみならず文章力,デザイン力,情報検索・発信力など総合情報力が求められる。
このようなニーズに応え,企業などのオフィスで扱うごく一般的な情報処理能力の育成を目的として本書を執筆した。ハードの基本中の基本からはじめワープロ,表計算,インターネット,プレゼンテーションツールであるPowerPointなど,Microsoft社のOfficeを中心に述べている。最後に,簡単なレポート執筆と構成について述べた。良いレポートは,執筆者の評価を向上させる。社会人にとって生き抜くための重要要因である。もちろん,レポートは執筆者の専門能力に大きく依存する。しかしながら,いかに他の人にわかりやすい図を用い工夫するかなどソフトウェアを使う能力も大切である。また,高度情報化に伴い他人への中傷や詐欺,著作権侵害など社会問題も生じている。このため,情報倫理についても一つの章を設け,情報化社会で加害者や被害者にならない最低限の内容について述べた。
(はじめにより抜粋)"
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