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(序文より抜粋)
都立神経病院の毎月2回開催されるCPCでは,レジデントが臨床症状や経過を踏まえて神経病理所見を説明します.本書は彼らの手軽な参考書として作られた冊子を書き改めたものです.
本書は入門編,症例編からなっています.入門編第 I 部「組織のなかの細胞」では,どんな疾患でも遭遇する機会の多い変化やよく使われる割には定義が曖昧な術語や病変などを積極的に取り上げました.(中略)第 II 部は,神経系では一個一個の細胞の変化ではなくて,組織の変化が症状を引き起こしている,という観点から「組織をみる」と題して,組織標本のさまざまな見方について幾つかの例を挙げて解説しています.一方,四つの疾患からなる症例編の最初は筋萎縮性側索硬化症です.これは神経内科医に最も馴染み深い疾患であると同時に,病理学的にも変性疾患の導入には最適な疾患だからです.そして,多系統萎縮症,Lewy小体型認知症,変性かあるいは血管・循環障害か議論が分かれる症例が続きます.これらの症例は本書のために特別に選んだものではなくて,入門編の執筆中にたまたま筆者が解剖当番に当たったものです.従って,意図的に作った病歴や病理所見ではありませんので,必ずしも筋道立って議論が進んでいませんし,脱線したり,明確な結論が出ない症例も含まれています.しかし,却ってその方がCPCの前にどんな議論がされているのか,その一端が現れているのではないかと思いましたので,敢えて修正していません.
(中略)最後に,神経病理学を勉強することは臨床神経学とは違った切り口から神経学を学ぶことだと思います.一人でも多くの若い人達が神経病理学の面白さに触れ,それが少しでも臨床に活かされれば,筆者としてこれに勝る喜びはありません.
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