近代西洋世界が17世紀後半に始まった「科学革命」という知的ビックバンにより、引き金を弾かれた知的進化のプロセスの中に今もいるとすれば、太平洋の島々は19世紀初頭に始まった「文字革命」という知的ビックバンの衝撃によって、生じた巨大な知的運動を経験しつつあると言える。
そして太平洋における「文字革命」は未だ200年にすぎず、その知的可能性を汲み尽くしたどころではなく、様々な知的エレメントを発現させながらそのエネルギーはますます増大しつつあるのである。
本書はそうした、太平洋における「文字革命」下の知的爆発によって顕現しつつある様々なエレメント、様々な運動のベクトルを万華鏡的に展開したものである。読者は、文字誕生、すなわち、文明誕生直後の様々な文明に起こった原初の姿を発見することができるだろう。本書は「人間の知」とは何かという根源的な問題に対する思考の素材、しかも生き生きとした素材を提供することを、その目的とする。(「序章」より)
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