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(序文より抜粋)
私が神奈川県総合リハビリテーションセンターで小児科医として勤務するようになって20年もの年月が経った。当センターの小児科では、軽度の障害から最重度の障害まで、0歳から50歳代(ただし子どもの時の障害をもったまま年齢が高くなった方)に至るまで、生まれつきの障害も後天性の障害も、外来・入院・施設入所などを通して、いろいろな障害をもった方の診察を行っている。そのなかで、比較的障害が軽く、外来のみで診ていく子どもたちの主訴で最も多いのが「ことばの遅れ」である。「ことばの遅れ」と一言で言ってもその中身はさまざまで、診断の方法も、治療の方法も一人ひとり異なっている。小児科医になって何年経っても「ことばの遅れ」に対する診療は難しいものであるが、順序立てて考えていけば、その方針は見つけ出せると思う。
この本は幼稚園・保育園の先生、通園施設のスタッフ、学校の先生、親御さんに向けてやさしく書いた本である。「ことばの遅れ」をもつ子どもと、その子どもをとりまく多くの人の役に立てると嬉しい。
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