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循環型社会をめざす10都市の取り組みに学ぶ
サブプライムローンに端を発した2008年秋以降の世界的な景気後退は、単なる循環的なものでなく、20世紀型発展モデルが終焉し、私たちが新たな枠組みを作っていかなければならないことを示すものとなった。ローマクラブの報告書『成長の限界』が発表されたのは1972年、以後40年近くを経て、私たちはようやく循環型社会の必要性を痛感しつつある。
このような視点から日本の各地域を眺めると、実はすでに多くの取り組みが重ねられていることが分かる。ゴミの分別収集、リサイクル、風力・太陽光・バイオマス等の再生可能エネルギーへの転換など、さまざまな実践が進められている。グローバル化の時代、「人、もの、資金、情報」は瞬時に世界を動いていく。だが、国土も地域も動くことはできない。その国土や地域に「希望」がなければ、私たちは生きていくことができない。したがって、私たちは未来永劫にわたって、持続可能な状況を次の世代に引き継いでいかなければならない。将来にわたる「持続可能な地域社会」「自立的・循環的な地域社会」を築き上げることがいま問われている。それは現在を生きる私たちの、「未来」に対する責務である。
このような問題意識に基づき、本書では、日本の10の地域における「循環型社会形成」の取り組みに光を当て、多角的に考察を加えた。中山間地域で進められている「クリーンエネルギー事業」、政策的に構想された「エコタウン事業」、さらに、市民による地道な「循環型のまちづくり」などに注目し、その意義を明らかにしていく。
私たちは、そうした先駆的な取り組みに学びながら、自分たちそれぞれの地域で「新たな価値」を作り上げていかなくてはならない。21世紀型発展モデルの形成が問われているいま、そのような挑戦に積極的になれるかどうか、それが私たちの地域社会の将来を決することはいうまでもない。(編者 関 満博)
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