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「親が子をすてるなんて、とてもできねえぞな」
たとえ血がつながらなくても、親子の絆はかたいのです。
ある村に、子宝ケヤキとよばれる大きな木がありました。
この木にお祈りすると、子がさずかると信じられていたのです。
村の夫婦サヤとモイはもう何十年も毎日毎日、子宝ケヤキにお祈りに来ていました。
ある日、いつものようにお祈りに来ると、穴の中にとってもかわいい男の赤ちゃんを見つけました。
赤ちゃんのまわりにはだれもいません。
この子は子宝ケヤキがさずけてくれたのかもしれない…
ふたりは、赤ちゃんをサモと名づけ、大切に家に連れて帰りました。
サモはお腹がすくとゴロゴロ―――
サモの泣き声はゴロゴロギャーン!!
カミナリのような音を出すサモ。実はカミナリ様の子どもだったのです。
村人たちはサモが来てから村には悪いことばかり起きるので、サモを山に置いてくるか、いっしょに村から出て行けと言いました。
サヤとモイは、つらいけどいっしょに村を出ることに決めました。その時流した涙がボノロンに伝わって……
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