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原書は1974年、新日本出版社刊。思想状況の分裂・多極化が深刻化する70年代に、古き「自然と人間」像の無自覚的な拡大に警鐘を打ち鳴らし、あらたなる国民意識の創出をこころみた充実の論集。本居宣長・津田左右吉・川島武宜の批判的分析を端緒とし、マルクス・ウェーバーの方法論を駆使して儒教─仏教─神道の思想的交錯をときほぐす。
目次
再刊に際して(岩間一雄)
はしがき
第一章 課題=日本的自然と方法
一、課題=対象としての日本的自然──本居宣長における方法的出発──宣長における対象=記・紀の非対象化、日本的自然のロマン化
二、日本的自然=記・紀の対象化──津田左右吉における記・紀=日本的原像のイデオロギー分析──津田におけるイデオロギー分析の方法的限界──対象=日本的自然を対象化する方法としての自己の対象化
三、日本的原像=記・紀のイデオロギーとしての論理的・歴史的構造──日本における血縁的支配の論理=アジア的思惟としての記・紀
注 解
第二章 日本におけるアジア的思惟の成立
──「国生み」のイデオロギー分析──
一、「国生み」と血縁的支配
二、「国生み」の前過程──母権制的血縁社会における「生む」=生殖観念の未成立──マリノウスキー、エンゲルスおよびウェーバーにおける「母権」制概念
三、「国生み」の成立──父権=家父長制的血縁社会への転轍──その基礎としての男女=性別分業──生産力と分業──家父長のde factoの私的所有の成立=家父長制的血縁支配──そのイデオロギーとしての「アジア的思惟の展開──日本的原思考(記・紀=アジア的思惟)における時間的形式=血縁的伝統と空間形式──記・紀における呪的=武的カリスマと徳のカリスマとの拡大──神道と儒教
二、古代的思惟=仏教の導入──聖徳太子十七条憲法のイデオロギー構造──仏教と神道ならびに儒教、前者の後者に対するイデオロギー的包摂──一元的日本古代と仏教──古代的普遍性
三、一元的日本古代のイデオロギーとしての仏教と法イデオロギー──日本における古代的思惟成立の画期=日本天台の成立
注 解
第五章 日本封建制のアジア的特質
一、川島武宜の「孝について」──中江藤樹「孝」説における「日本封建制のアジア的特質」──方法におけるマルクスとウェーバー
二、藤樹学の出発=朱子学規範主義=格套への批判──藤樹学の社会的基盤──藤樹学における「封建的」なるものと、「アジア的」なるものの再出
三、封建的なるものとアジア的なるものと──日本封建制のアジア的特質──近世儒教=封建的思惟と仏教ならびに神道との交錯=課題の設定
注 解
第六章 近世儒教をめぐる思想的交錯
──封建的自然とその限界
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