ビゴーが見た明治職業事情

講談社学術文庫

ビゴーが見た明治職業事情

取り寄せ不可

出版社
講談社
著者名
清水勲
価格
1,056円(本体960円+税)
発行年月
2009年1月
判型
文庫
ISBN
9784062919333

激動の明治期、人々はどのような仕事をしていたのか。仏人画家ビゴーは、洋服屋、牛肉屋、鹿鳴館職員といった西洋化により登場した職業など、働く人々の姿を諷刺も交え克明に記録した。国会議員らエリート層の豪奢で珍奇な暮らしぶりとは対照的に、人口の9割を占める下流階級の人々が懸命に働く姿は、明治の格差社会を痛切に感じさせる。100点超の作品を紹介し、背景を解説する。(講談社学術文庫)


牛肉屋、人力車夫、洋服屋、国会議員……その日暮らしの庶民から超富裕層まで
諷刺画家が活写した近代化日本の働く人々

激動の明治期、人々はどのような仕事をしていたのか。仏人画家ビゴーは、洋服屋、牛肉屋、鹿鳴館職員といった西洋化により登場した職業など、働く人々の姿を諷刺も交え克明に記録した。国会議員らエリート層の豪奢で珍奇な暮らしぶりとは対照的に、人口の9割を占める下流階級の人々が懸命に働く姿は、明治の格差社会を痛切に感じさせる。100点超の作品を紹介し、背景を解説する。

ビゴーの諷刺画にも様々な職業が描かれている。たとえば雑誌『トバエ』には、諷刺の対象たる政治家や警官や富裕層だけでなく、近代社会に登場してきた新しい職業の担い手たちを多少皮肉をまじえて描いている。すなわち、キリスト教の宣教師、写真師、洋服屋、さらには乗合馬車の御者・車掌などあまり写真や絵画に記録されていない働く人々の姿がそこに見られる。(中略)ビゴーの描いた職業を分類・分析することによって明治という時代、とくに彼が滞在した明治中期という時代の様相・雰囲気を紹介してみたいと思う。――<本書「はしがき」より>

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