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21世紀に入る前後よりラテンアメリカにおいて、多くの左派政権が誕生した。本書では先行研究にならい、社会党や共産党にルーツを持つ政権、ポピュリスト運動にルーツを持つ政権、社会運動にルーツを持つ政権など、ラテンアメリカにおいて歴史的に左派に分類される政治勢力による政権を左派政権としており、キューバ、コスタリカ、ベネズエラ、エクアドル、ペルー、ボリビア、ブラジル、チリ、アルゼンチンの左派政権が扱われている。
上記のように多様なルーツを持つラテンアメリカの左派政権は、いかなる背景で成立し、またいかなる政治、経済、社会政策を実行しているのであろうか。本書では、次の二つの論点を軸にこれらの問題の分析を試みている。
第1は新自由主義という軸である。21世紀における左派政権誕生に、1990年代にラテンアメリカ諸国で行われた新自由主義的経済改革、政策がどのような影響を与えたのか、それら左派政権は、貧困や社会的格差の原因が新自由主義的政策であると見なしているのか、そして、反新自由主義的経済政策を導入しているのか、あるいはそれが単なる言説にとどまり、実際には市場経済を尊重しているのか、といった点が論点となっている。
第2は対米関係を中心とした対外関係という軸である。本書が対象とした左派政権のいくつかにおいては、経済民族主義的傾向を強める中で、米国企業を中心とした一部外国企業の国有化が実施されている。反新自由主義的政策や言説をとる政権では、反米や民族主義的政策あるいは言説がみられる。本書はこれらを基に左派政権を「急進左派」と「穏健左派」へと分類している。
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