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食料供給をはじめ毛織物や東方物産の取引などヨーロッパ世界で中心的な役割を担ってきた地中海貿易は,16世紀の人口増加に伴い食料の安定供給が困難となり,東欧の穀物貿易を展開させたオランダを中心とするバルト海貿易にその地位を譲り渡した。
本書は近世になり経済の中心がアルプスの南から北へ移り,バルト海を中心とする広域経済圏が交易ネットワークを通して北方ヨーロッパに拡大していく過程を,商人の活動とそれを保護する国家の役割に視点をすえて解明する。
オランダは経済発展に適合的な制度を形成することにより「近代世界システム」の発祥の地とされるが,著者はその理由が商業情報を低コストで獲得するなど取引費用の低下や海運業の発展にあることを明らかにする。またオランダで生まれた世界システムはイギリスとハンブルクに伝わり,イギリスは「帝国」を形成し,ハンブルクは物流中心のシステムへと展開した。この分析を通してオランダからイギリスへのヘゲモニーの転換の実態が示される。
一国史的な研究の枠を超え,近世ヨーロッパの多様な姿を描くグローバルヒストリーの本格的な試み。
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