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秋日和
幸せなのかそうでないのか
ふと考える
過去と現在と未来と
錯綜して現れる水平な時間
照り返しの強い午後のベランダで
気まぐれのように
枯れた枝から吹き出した
芽
くさかんむりの下に
隠れていた小さないのちが
生きることに
牙を剥く
長い間忘れていた日々に向かって
洪水のように
水をかける
昨日と 今日と 明日と
背中を流れていく街の音
乾いたコンクリートの上に
広がりあふれて
足元に押し寄せる 波動
わたしの中にも
深い井戸があった
掌には
忘れてきたことを
思い出したがる種
知らなくてもいいことを
知りたがる種
秋まきの種はどれだったか
今
植えなければいけない種に
今
注ぐほどの水があるのかどうか
ベランダの日脚は伸びて
どこまでも傾いて
とりとめのない物思いが影をひく
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