古典文学のベストセラーが現代語訳と原文でよめる『日本の古典をよむ』シリーズ第3回配本。鴨長明『方丈記』、兼好法師『徒然草』、親鸞の法語集『歎異抄』の3作品を収録。彼らはともに動乱の中世に生きた。鴨長明は、血を血で洗う源平の争乱と人々を苦しめる自然災害を背景に、無常観に満ちた遁世文学『方丈記』を執筆。この源平争乱の最中に幼少期を過ごしたのが親鸞で、希望の見えない世に救いを求める人々に対して親鸞が説いた法語を、彼の死後、弟子がまとめたものが『歎異抄』である。鎌倉幕府成立から百年後に生まれた兼好は、南北朝動乱の時代に生き、無常の美学を『徒然草』に結実させる。以上3冊とも、人生を見つめる言葉に満ちた箴言集である。
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