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清新なヴェーバー像をみちびく『経済と社会』再読解──。官僚制化した社会と歯車化した個人という近代の隘路を悲観的に描いたとするヴェーバー理解に抗し、没後編纂の事情で埋もれていた「諒解」概念を手掛かりに、行為と社会秩序のあいだの重層的で動態的なメカニズムを考究する。
目次
序章 「鉄の檻」の動態化
第一節 出口のない近代
第二節 「諒解」の視座──本書の立場
第一章 二つの水準の「意味」と「諒解」──「理解社会学のカテゴリー」の問題構制
第一節 「方法論的個人主義」の捉え直し
第二節 二つの水準の「意味」
(1)目的合理性と整合合理性
(2)心理学・法教義学と理解社会学
第三節 「諒解」の基底性
(1)ゲマインシャフト行為
(2)ゲゼルシャフト関係とゲゼルシャフト行為
(3)諒解
(4)アンシュタルトと団体──ゲゼルシャフト関係に対する諒解の基底性
第四節 むすび──合理化の「意味」
第二章 秩序の妥当とゲマインシャフトの重層性
第一節 秩序はいかにして「妥当」するのか
第二節 諒解にもとづく秩序の「妥当」
(1)法秩序の妥当
(2)習俗・慣習律・法──「妥当」の経路(一)
(3)利害関心にもとづく諒解──「妥当」の経路(二)
(4)合理的な行為者と合理的な秩序
第三節 ゲマインシャフトの重層性と「諒解」
(1)重層的なゲマインシャフト形成への視点
(2)「原生的」なゲマインシャフト
(3)「共属意識」の喚起
第四節 むすび──合理的秩序の存の合理化と重層化
第五章 政治ゲマインシャフトの存立構造
第一節 政治ゲマインシャフト論の課題
第二節 政治ゲマインシャフトの発展段階
第三節 威信感情と「国民」
(1)権力のダイナミクス
(2)「国民」への統合
第四節 身分と階級の対立と交錯
(1)階級と身分の〈構成〉
(2)身分、生活態度、諒解
第五節 むすび──政治ゲマインシャフトの重層性
終章 行為者像の転換と社会像の転換
あとがき
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