ハーゲドン情熱の生涯

ハーゲドン情熱の生涯

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出版社
時空出版
著者名
トルステン・デッカート , 大森安恵 , 成田あゆみ
価格
4,290円(本体3,900円+税)
発行年月
2007年8月
判型
A5
ISBN
9784882670421

糖尿病を「死」から「生」の問題へと変えた男。

インスリンの発見・実用化まで、糖尿病患者は悲惨な運命をたどっていた。極端な食事制限以外に方法はなく、やせ衰えて数年で死亡するか、壊疽による四肢の切断や失明、腎不全という結果が待っていた。

1922年にカナダのトロント大学で発見されたインスリンは、デンマークでハーゲドン中心に生産が開始されると、翌年3月には、生存の希望の薄い患者たちに投与され奇跡的な効果が現れた。
ハーゲドンは以後、より実用に適したインスリンの研究・生産に邁進する。その間、初の血糖測定法の開発をはじめ、今日に至る持続型インスリンの開発など、糖尿病患者の希望となる画期的成果を上げる。
インスリン製剤に殺菌剤を使用しなかったこと、医師の守秘義務を堅持し法改正に貢献したこと、第2次大戦中はナチスに追われる友人・同僚を援助し、自らも占領下でドイツ軍とわたり合うなど、医師として、人間としての理想と倫理を貫く。大量のインスリン採取を期待して捕鯨の実験工場船に乗り込み、自ら自家用機を操縦し各地を飛びまわるなど、スケールの大きな「行動する巨人」の人物像が、デンマークの状況とともに描かれる。
中間型インスリンNPH(Neutral Protamine Hagedorn)や日本糖尿病学会〈ハーゲドン賞〉に名を残す人物の伝記で、糖尿病治療への道のりの真実を膨大な資料から明らかにした書。医療関係者をはじめ、糖尿病治療中の患者さんにも勇気をもたらす。

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