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勅撰の正史、「六国史」の第三
初の現代語訳(付・原文)
『日本後紀』は平安時代初期の歴史を扱った国史であり、朝廷中枢の重要な出来事を網羅した貴重な史料でもある。全巻のうち10巻のみが現存、散佚した部分の修復補完が江戸時代から多くの学者の手により試みられてきた。本書では、『類聚国史』『日本紀略』等から集めた逸文を加えて復元された全40巻に、初めて現代語訳を施す。歴史の曲がり角、平安初期の様子が間近に蘇ってくる。
『日本後紀』は古代国家が編纂した六国史の1つで、桓武朝の後半から平城・嵯峨・淳和朝に至る4代、年号で言えば延暦11年から天長10年に至る40年余の歴史を記述している。都が「咲く花の匂ふがごとく」と栄華を謳歌した奈良京から長岡京へ遷り、それも束の間、平安京への遷都が行われ1000年の都城建設がすすめられる一方で、律令国家は大きな曲がり角を迎え、政治改革が模索される時代であった。――<本書上巻「まえがき」より>
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