千年の幸福
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ドリュモーファンに贈る[楽園の歴史]3部作の第2弾
膨大な一次資料と該博な知識で、キリスト教の二千年を俯瞰する壮大な心性史、待望の続刊
人間はどこかに幸福の在りかを求めずにはいられない。
個人が幸福を求めるのみならず、集団も幸福を求める。
〈楽園の歴史〉3部作でドリュモーは人間のこうした願望の西欧史における形態、役割を追及する。
第Ⅰ巻『地上の楽園』で、「悦楽の園=エデンの園」のヴィジョンの歴史を検討した歴史家が本書『千年の幸福』で取り上げるのは、キリスト教世界で、人類の選良にとっての幸福への待望が取った形態のひとつ千年王国論である。神による最後の審判以前に、キリストが正しき人々とともに千年の間地上で正義の王国を実現するという思想である。「エデンの園」が遠い過去に幸福を見たのに対して、千年王国論は未来に人間の輝かしい幸福を見る。幸福を求める切なる願望は、幸福の時である千年王国到来の時期を間近のものとして期待させる傾向を持った。さらには千年王国の到来を待ちかねて、その時を人間の力で早めようとする革命家たちの出現の契機ともなった。
カトリック、プロテスタント双方において異端とされつつも、千年王国論は歴史の伏流として大きな影響力を振るい続け、時代の動く時にはその影響が突出した形で現れた。歴史家は千年王国論をその起源である旧約、新約聖書から説き起こし、教父と呼ばれるキリスト教初期の思想家や中世の聖職者・修道士の著作における展開を検討し、その歴史の表舞台への発現をドイツ農民戦争、アメリカ発見、カトリック宣教師による南米での布教活動、清教徒革命、ピルグリムファーザーズの北米での活動などに見出してゆく。さらには宗教感情が強固であった時代を越え、現代に至るまでその影響が続くさまを、かつての千年王国論と18世紀のユートピア思想、19世紀の進歩思想、社会主義の連続性を示すことによって描き出そうとしている。
膨大な一次資料の探索と該博な知識、そしてキリスト教の2000年を俯瞰する壮大なヴィジョンで描き出された本書によって読者は数多くの驚きに出会うだろう。
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