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世界の趨勢(公=スタンダード)とナショナリズムは、もともと矛盾するのである。それは、福沢が「脱亜論」を唱えた十九世紀末の東アジア情勢も二十世紀末中東情勢もかわらない。しかし司馬遼太郎は、アメリカが信ずる「正義」と、「正義」を実行する「蛮勇」に対して危惧の念を禁じ得なかった。そこで書き終えた原稿の末尾にさらに数行加筆して郵送した。それは以下のくだりであった。
「ついでながら、いわ湾岸でおこっていることも、公的な物差し(スタンダード)というものと、土着のナショナリズムとの相剋の問題である。しかしアメリカ以外にアラブに”脱亜論”をすすめるような”勇気”は、いまの地球上にさほど多くはない。結果が、自国にとって手ひどいことになることをしっているからである」(「この国のかたち」大六十一回『脱亜論』)(以上 解説・解題 関川夏央より)
漂流する「戦後日本」に強い危機感をいだく六人との対話。
目次
日本人よ”侍”に還れ 萩原延壽
英国の経験 日本の知恵 ヒュー・コータッツツィ
近代化の推進者 明治天皇 山崎正和
明治国家と平成の日本 樋口陽一
さいはての歴史と心 榎本守恵
日本人は精神の電池を入れ直せ 西澤潤一
「陰鬱な不機嫌」とは生来無縁の人、自立の人 解説・解題 関川夏央
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