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「詩は、コトバで作られた小さな(あるいは大きな)機械だ。そこには感傷的なものもなければ、余分なものもない」と言い切るウィリアム・カーロス・ウィリアムズWilliam Carlos Williams は、コトバの象徴性から詩を解放しようとした20世紀のアメリカを代表する詩人である。「事物を離れて観念はない」という彼のモットーは、20世紀後半のアメリカ詩を特徴づけるものとなった。産科と小児科医を生業とした多文化主義の詩人は、「反-詩」的な「ここ、いま」の現実から離れることなく詩を創造していった。アメリカ口語の持つ詩的可能性を追究し、ホイットマンが夢みた「アメリカのうた」を歌い続けたが、その実験的な詩のフォームは現代芸術の動向と無縁のものではなかった。ウィリアムズの「詩とは何か」という問いは、ブラックマウンテン派やビート派といったポストモダンの世代に引き継がれ、現在のわたしたちに至る。本書では、初期の名作「赤い手押し車」や、長篇詩『パターソン』から「図書館」を抄録、晩年の傑作「砂漠の音楽」を含む、ウィリアムズの代表作を収録した。
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