神々の沈黙

神々の沈黙

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出版社
紀伊國屋書店
著者名
ジュリアン・ジェインズ , 柴田裕之
価格
3,520円(本体3,200円+税)
発行年月
2005年4月
判型
四六判
ISBN
9784314009782

《3000年前まで人類は「意識」を持っていなかった!》

動物行動学から出発し人間の意識の探求に踏み込んだ研究者が、楔形文字の粘土板や碑文・彫刻、ギリシア叙事詩『イーリアス』『オデュッセイア』、旧約聖書などの分析から、とてつもなく壮大な「意識の誕生」仮説を樹ち立てた――人類の意識は今からわずか3000年前に芽生えたもの、意識誕生以前の人間は右脳に囁かれる神々の声に従う〈二分心〉(Bicameral Mind)の持ち主で、彼らこそが世界各地の古代文明を創造した、やがて〈二分心〉は崩壊、人間は文字と意識を得た代わりに神々は沈黙した、と。

意識論の大家ダニエル・デネットは、著者の仮説を高く評して「ソフトウェア考古学」と呼ぶ。地層から掘りだされる化石や骨では人間の心のことまでは伺い知れないからだ。

意識の哲学・心理学から歴史・文明解釈、現代人における〈二分心〉の名残までの三部構成からなる本書は、著者の生涯を賭けた金字塔で、発売当初から様々な方面で論議と話題を呼んだ。記述は膨大な証拠に裏打ちされ、過去ばかりか今日と未来における私たちの心の奥底にまで関わり、従来の見方を180度転換する。「知られざる巨人」の生涯ただ一冊の渾身の書。

「前2000年紀末まで人類は意識を持たず、神々の声に黙従していたというジュリアン・ジェインズの仮説を目にした者は……愕然となるが、その正当性を裏づける証拠の数々を確認しながら、この驚くべき主張を最後までたどらずにはいられない」
ジョン・アップダイク(「ニューヨーカー」誌)

「本書を読み終えたばかりの私は、キーツの描くコルテスになって太平洋の大海原を眺めているような気がする。いや、少なくとも、ダーウィンかフロイトの著作を最初に読んだ書評家のような気分だ。この新たな領域をどう捉えたものか、見当もつかない。だが、それは紛れもなく眼前に広がり、そこに秘められた力に私は息を呑むばかりだ」
エドワード・プロフィット(「コモンウィール」紙)

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