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著者らは1994年8月「人間・環境・地球-化学物質と安全-」を刊行し、第3版まで版を重ねたが、その間、環境を良くするには「安全」の思想が極めて重要であることを痛感した。
本書は、全面的に「くらしの安全科学」を中心に第1章「水の安全」、第2章「空気の安全」、第3章「食の安全」、第4章「化学物質の安全」、第5章「地球環境の安全」そして第6章を「エネルギーと資源循環」の章立てで記述したものである。
20世紀、人類が獲得した最高のものは科学の進歩と、それによる技術革新であった。新技術によって生み出された物質やIT技術は、人々のライフスタイルを大きく変え、生活の「豊かさ」、「便利さ」と「快適さ」を存分に味わえる社会を築き上げてきた。また、食糧生産技術、保存・輸送技術は、私たちが飽食を享受するのに不足はなかった。しかし、経済性優先の中で大量生産と大量消費が加速され、世界のエネルギー資源と鉄や亜鉛、鉛など多くの鉱物資源の枯渇を目前にする結果となった。そして私たちは消費された残りを廃棄物として大量に環境中に排出した。
私たちが化学物質のもっている有用性と有害性の「両刃(もろは)の剣(つるぎ)」の二面性を忘れ、そのプラスの面だけみて走った帰結なのである。その結果が地域のみならず世界規模での環境汚染をもたらした。
一方、我が国の20世紀は経済性と効率性が優先し「安全」の精神が欠落した世紀でもあった。それに起因すると考えられる環境汚染、化学物質事故や食品事故も少なくない。
このような背景から、21世紀の社会のキーワードは「安全」であらねばならないと考える。そのためには教育の中に科学の安全、技術の安全、くらしの安全、そして安全な環境を根幹とする考え方を成熟させなければならない。
そして環境革命の21世紀といわれる今、「安全」の精神が徹底した時、環境革命も大きく前進するであろう。
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