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『正法眼蔵』と並ぶ主著
道元が全生命を賭して門下に語った説法集
法堂に上り、修行僧に真っ向から問いかける。道元の語録を集めた『永平広録』「上堂」からは、今も、道元の息遣いが聞こえ、迫力ある声が響いてくる。「依草の家風、附木の心」「空手還郷(くうしゅげんきょう)「眼横鼻直(がんのうびちょく)」。禅の奥義に迫る、簡潔で磨き上げられた言葉の数々。本書は、531回の「上堂」の中から、応時応節の代表的なものを選び、懇切丁寧な解説を施す。
上堂は、住職が法堂の法座の上から修行僧たちに法を説く禅林特有の説法形式で、……各上堂からは、道元が今、あたかも私たちの目の前に現れ、法座から私たちに直に説法しているかのような息吹と、生々しい臨場感が彷彿として伝わってくる。それは特に、道元の上堂語が、彫琢された全く無駄のない言葉、そして詩的ですらある美しい言葉から構成され、それが時には鋭い語気となって私たちに迫ってくるからである。――<本書「はじめに」より>
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