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滋賀県南部を横切って琵琶湖にそそぐ「近江太郎」の異名を持つ野洲川は、ほぼ10年に1回の割合で大氾濫を繰り返す暴れ川だった。
水害を被るたびに流域の村々が堤防を積み増しした結果、下流では川底が周囲の地面よりも高い天井川となり、危険この上ない状態となっていた。下流部で分かれた北流と南流の改修は、流域住民の悲願だったが……。
『京都インクライン物語』で第1回土木学会著作賞を受賞した田村喜子が、改修事業に関わる流域住民のさまざまな心の動きを活写。
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