乾燥地の自然と緑化

乾燥地の自然と緑化

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出版社
共立出版
著者名
吉川賢 , 山中典和 , 大手信人
価格
4,400円(本体4,000円+税)
発行年月
2004年4月
判型
A5
ISBN
9784320056091

亜熱帯から寒帯まで南北に長い日本ではあるが、どこも十分な降雨がある湿潤な環境であるため、日本でいる限り本格的な乾燥地がどのようなものであるのか、知る機会はほとんどない.そのため、地球規模での環境問題の一つとして砂漠化の防止が話題に上ると、サハラ砂漠やアラビアの大地で吹きすさぶ砂嵐がイメージされることが多い.そんなところに人が住んでいることを不思議とは感じても、具体的に援助を考えるとなると、取り付く島がないという思いが強くなるのではないだろうか.しかも、そのほとんどの地域が我々とは大きく価値観を異にするイスラムという異文化圏に属するために、人文地理的にも馴染みが薄く、日本では乾燥地のことについて多くの誤解がある.
 そこで、本書はまず地球の大気の大循環から説き起こし、乾燥地の水文環境から土壌までを解説した.次に、そうした乾燥地に生物が生育するための戦略やその困難さを理解してもらうために、乾燥地に生育する植物の耐乾性に関わる生理と生態について、できる限り多面的に解説を行った.その上で、砂漠化現象とはどのようなものであり、現在どれほどの土地が砂漠化に直面しているのかを示した.さらに、砂漠化を引き起こす背景とその原因を解説するとともに、国際的な取り組みの流れを概説した.最後に、半乾燥地を緑化することの意義とそのために考えておかなければならない問題点を、具体的な緑化技術の解説を通して述べ、緑化の方向について考えてみた.
 砂漠化を防止するためには、乾燥地の生態系の特徴とそこに生きる植物の生理特性を理解した上で、実際の緑化に取り組む必要があり、本書はそのためのテキストとなるように多分野の内容を一冊に収めた.また、できるだけ世界各地の乾燥地の事例を引きながら解説したが、特に我々の生活に影響する可能性の高い中国の乾燥地の現状や砂漠化防止の対策を多く示したので、乾燥地をこれまでより身近なものとして理解してもらえるであろう.

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