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先住民族・アイヌの大地と生活を根こそぎ奪った明治政府は、狩猟民のアイヌに農業や漁業の授産事業を指導し、涙ばかりの下賜金や下付金を与えた。だが、それらの金や不動産は「アイヌ共有財産」として道庁が管理、アイヌは小石一つ自由にならなかった。しかもずさんな管理の結果 、1世紀後の今に残るは、わずか147万円。時代錯誤の「北海道旧土人保護法」の廃止で返還されることになったが、その権力的な返し方にアイヌの人々の怒りが爆発、民族の尊厳をかけて裁判に立ち上がった。本書はその闘いの克明な記録である。
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