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「道具」としてのモノが人の認知活動に大きな影響を与えていること、翻って「使いやすい道具」を作るためには人の認知的過程を知ることが重要であるという認識もまた広く受け入れられつつある。
本著では、その「道具」となるモノと人間の認知の関係についての研究の紹介と今後の方向性を示すことを目的として構成された。前者は本著第1部にあたり、「認知科学」誌Vol. 5、No. 1に特集された4つの論文を、よりわかりやすくその後の展開も含めて書き直したものである。これに加え、後者の論文を第2部として構成した。
近年、モノは大きく変化してきている。人が本来生活してきた物理世界から、全く新しい電子世界へと認知的活動範囲を急速に広げつつある今、本書がなんらかの社会的意義を有する認知科学研究の一助となることを期待する。
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