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デカルトからベラスケス、マネ、マラルメを通過して、デュシャン、ブルトン、リルケ、ツェラン、ブランショ、デュラスへ。〈光学〉をキーワードに、西欧近代における哲学、文学、音楽、美術等の諸領域を横断的に貫こうとする表象文化論的思考装置が凝縮された思考を展開する。ハイデガーやフーコーの哲学をテコに目眩く思考と文体の運動を鮮やかに刻印し、表象文化論の起源と可能性を存分に論じきった著者の知的彷徨の所産。
目次
I 表象装置と主体の光学
デカルト的透視法──表象装置としてのコギト
オルフェウス的投影──オペラの光学の誕生
ヒステリー的投影──近代的プロジェクシオンの構造
II インファンスとしての身体
無の眼差しと光り輝く身体──フーコーのインファンス
インファンスの光学――エクリチュールの身体
盲目の眼差し――フーコーの「マネ論」
III 死の光学
盲目の光学――デュラスにおける〈見ることができないもの〉
1 「苦悩」――戦争のエクリチュール
2 〈緑の眼〉――身体なき眼差し
墓の光学――デュシャンの〈完全犯罪〉
IV 転回の詩学
大地論序説――詩・技術・死
1 大地から/への転回――ハイデガーと大地の喪失
2 大地の委託と詩の出来事――リルケの樹と大地
3 ポプラの樹とパンの身――ツェランの〈大地〉
4 転回、空中にて――子午線と〈石〉としての〈名〉
V 物語の光学
物語の狂気/狂気の物語
1 現存在の《誰》――ハイデガーにおける物語の抹消
2 レシの狂気――ブランショ『白日の狂気』を読む
3 法と良心――誰が呼ぶのか?
VI 物語と実存
墜落と希望――ブルトン『ナジャ』における
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