博多湾に霧の出る日は、

博多湾に霧の出る日は、

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出版社
書肆侃侃房
著者名
田島安江
価格
2,096円(本体1,905円+税)
発行年月
2002年12月
判型
A5
ISBN
9784998067597

塩味にはいつも狂気の味がする

博多の街の空気にも

わたしのなかにも

ほんのりとした

潮の香りが含まれている

そしてなぜか

博多湾に霧が出ると

わたしには

人より多めの塩分が含まれてしまうと

男は言う

ピリッとした塩味が効いている

と言えば聞こえはいいが

実は

凶器を隠しもっているのではないか

と疑っているらしい



「博多湾に霧が出る日は」より

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