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カリフォルニアのフェミニスト論客である著者は、本書において、モダニズム文芸批評から、ポストモダン思潮、そして、カルチュラル・スタディーズ、フェミニズム理論にいたるまで、モダニティ以後の文芸/文化批評を渉猟し、〈旅〉や〈移動〉といった事象をめぐる言説思考の限界と問題点を脱構築的に批判する。読解の対象として、ドゥルーズ=ガタリ、ボードリヤール、サイード、J・クリフォード、アドリエンヌ・リッチほか多数。――〈移動〉をめぐる20世紀言説のメタ・クリティック。ダナ・ハラウェイ推薦の一冊。
目次
はしがき
旅をめぐる疑問――序説
ポストモダンの疑問符
旅をめぐる疑問――移動をめぐるポストモダンの言説群
第一章 「移動というこの問題」――モダニズムにおける亡命/ポストモダンの観光旅行
「芸術のまさに生成する場所」――モダニズムの地理学
帝国主義的ノスタルジアと審美的な獲物――亡命者の報酬
『亡命者の帰還』――移動によって作家が生まれるという見方のモダニズム的構築
客引き、ツーリスト、旅行者――モダニズム文学の地図
ツアーをするモダニティ――主体を移動させる
第二章 ノマドになる――ポスト構造主義における脱領域化の諸類型
ボードリヤール――欧米における受容の脱構築
ボードリヤールの『アメリカ』――バス運転手の休日
ジェンダーの不可思議――ポストモダンの形而上学
多すぎるウェスタン――客体の復讐
光景の凝視――「ヨーロッパ」とその「他者」
マイナーになる――リゾームとノマド
欧米のノマド的主体――ポストモダンの文学研究とカルチュラル・スタディーズ
ポスト構造主義的理論家の立場を脱構築する
第三章 旅する理論家たち――コスモポリタンまディアスポラ
英雄的な亡命者とコスモポリタンなディアスポラ
亡命者として書く――エドワード・サイードの批評的移動
亡命の用途
コスモポリタンな主体
旅からディアスポラへ――ジェイムズ・クリフォードの批評遍歴
ポストモダンの漂泊者たち――モダニズム風亡命の跡をたどる
第四章 ポストモダン地理学――居場所に関するフェミニズムの政治学
欧米モダニティにおける空間の生産
グローバル/ローカル軸
グローバルなフェミニズムの限界
ローカルのジェンダー化
ローカルなもののなかでそれに抗して活動する
訳者あとがき
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