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天皇号と国号「日本」はいかにして成立したか。
推古・厩戸から天武・持統まで、権謀と動乱の謎を解明し、国家形成の軌跡を描く。
厳密な意味で飛鳥時代といえば、それは舒明天皇が飛鳥岡本宮を造営し、そこに遷り住んだ630年以降ということになる。そして、通説のいうように、飛鳥時代の終わりを藤原へ遷都した694年と見なすならば、630年から694年までのおよそ60年間が飛鳥時代ということになるのである。
このわずか60年ほどの間に、「天皇」という君主号と「日本」の国号が生み出されたわけで、飛鳥という土地が、さらにそこで展開した歴史が、「天皇」や「日本」を生み出したといっても決していいすぎではない。飛鳥に「天皇」と「日本」の起源があるといえよう。
飛鳥という土地のどのような要素が、また飛鳥時代のどのような出来事がそれを可能にしたのか、それを追究し、解明していくことが本書の課題なのである。――(本書より)
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