ソフトウェア開発のエクセレントカンパニー

ソフトウェア開発のエクセレントカンパニー

取り寄せ不可

出版社
構造計画研究所
著者名
アルカ・ジャーヴィス , リンダ・ヘイズ , 富野寿
価格
3,410円(本体3,100円+税)
発行年月
2003年1月
判型
A5
ISBN
9784320097360

多くの講演やカンファレンスが行われていても、実務に携わる人々はあまりにも日常業務に忙しく、そこに参画することすらできない。そのため多くの優秀な技術者が他者の経験を知りうる機会を十分持てないでいる。そして何度も同じ課題にぶつかりながら、あたかも初めてのごとく対処している現実がある。ソフトウェア開発の世界では、残念ながら、いわゆる組織としてのナレッジマネジメントはあるべき姿からはなはだしく乖離していることが多く、同じ類の誤りを繰り返している場合が多い。
 我々は技術の進歩が激しければ激しいほど、もっと他者の失敗と成功から学ぶべきである。そもそもエンジニアリングとは技術的経験と知見の繰り返し利用の上に成り立っている。そのような経験や知見が普遍化されて初めて標準となり、あるいは規準やガイドラインとなってプロセスの確立に寄与し、1つの技術分野を生み出すこととなる。もちろん、人の経験を知るにはそれなりの努力・労力が必要であるが、技術経験の管理に力を入れているソフトウェア開発組織も少なくない。
 本書に示されたのは、さまざまな分野の大小の組織における実務上のチャレンジの経験の披瀝である。そこには必ずしも特別に目を見張るような新しい技術があるわけでもなければ、新しい理論が登場しているわけでもない。しかし、そこにはエクセレンスにチャレンジしている数多くの現場の技術者や管理者が、時間とリソースの厳しい制約の中から、新しい状況を作り出そうと現実的なソリューションを試みた中での成功体験の事例がある。
 ソフトウェア開発組織も他の組織と同様、それぞれに置かれている状況は異なるから、本書はそこに示された具体的な技術的アプローチあるいは指針やガイドラインをそのまま自らの組織に適用しようとして読むべきではないのであろう。あげられた事例もさまざまな業務・技術分野に及んでおり、そのすべてから直接学ぶことができるような企業は稀であろう。むしろここにあげられた10の事例は、それぞれの状況の中でチャレンジを行い、何かを実現した、我々に勇気を与える経験の記録として、読者の興味に従っていくつかを読むべきである。読者はそこから刺激を得て、ソフトウェア開発環境の中で自らチャレンジを続ける糧を得るはずである。いわば本書は、読者と同じような環境にある他の組織が、エクセレンスに対して敢然とチャレンジした、「元気の素」の書である。
(「監訳者の言葉」より抜粋)
[原著 Alka Jarvis、 Linda Hayes: Dare to be Excellent -Case Studies of Software
Engineering Practices That Worked-、 Prentice Hall、 1998]
(発行元:(株)構造計画研究所、発売元:共立出版)

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