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ヨーロッパ近代の扉をこじ開ける「人柱」となった兵士たちの文化史。
ドイツ傭兵(ランツクネヒト)の全貌を活写
ヨーロッパ中世後期(15世紀末)から30年戦争に至るまでの約200年間、ドイツ国内のみならずヨーロッパ全土で戦った非正規軍、ドイツ傭兵部隊=ランツクネヒトの生態誌を通して、暗黒の封建世界から近代ヨーロッパへのパラダイム変換期の本質が浮かび上がる。
ヨーロッパ中世後期(15世紀末)から30年戦争に至るまでの約200年間、ドイツ国内のみならずヨーロッパ全土で戦った非正規軍、ドイツ傭兵部隊=ランツクネヒトの生態誌を通して、暗黒の封建世界から近代ヨーロッパへのパラダイム変換期の本質が浮かび上がる。
「兵士になるしかないあぶれ者」であり、あくまで「食うため・生きるため」に傭兵となった彼らは上からの一方的な統制を極端に嫌い、何よりも「個我」を優先させる。と同時に、結束して雇い主である王侯たちに立ち向かう共同決定権をも確立してゆく。これがランツクネヒトのアイデンティティであった。彼らの戦いは結果的にはヨーロッパ王侯の君主権を強化し、図らずして自分たちには全く無縁であったはずの国家への忠誠心をヨーロッパに植えつけ、近代への扉をこじ開けることになる。
従来の軍事史では掬い取ることができない現象をとらえ、ヨーロッパ近代の由来を解明する刺激に満ちた文化史。
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