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芸術や芸能の世界を顧みれば、模倣こそが創造を生み、文化伝播の原動力となっていた。「オリジナルには価値がある」という常識を問いなおし、近代商業主義に左右されない「再創」文化の意義を見出す。
〈目次〉
序
第一部 模倣と創造──オリジナリティとは何か
1 似ているとはどういうことか
ことばの獲得と制約/母国語の影響/類似性とアナロジー/類似品の見分け方/類似性の科学の必要性/浮世絵の類似性の科学
2 ものまねの美術
陶芸の伝播とものまね/西洋美術とものまね/『モナ・リザ』の秘密/ものまねの浮世絵史/見立て/美術の創造性と近代国家
3 写真の神話
写真のコピー力/幕末明治の日本と写真/見世物としての写真/写真の所有権/写真家の誕生/空想の美術館
第二部 著作権は何を守っているのか──著作権制度の光と影
1 著作権の狂想曲
いま何が起こっているのか/著作権とは/著作権の変容/著作権の歴史/本の海賊/テクノロジーとお金/文化と経済の隘路/コピーレフト/デジタル植民地主義
2 コピーと国のかたち
近世日本の出版と文芸/福沢屋諭吉の版権運動/版権から著作権へ/水野錬太郎と求著作権法/外交カードとしての著作権/帝国議会での応酬/ベルヌ条約への批判/著作権による精韓支配/沖縄の著作権
第三部 日本文化と再創主義のすすめ
1 つながりの歌
花の下で/連歌と再創/付けと本歌取り/芸道のコピー/「風」の創造性/再創による技術の伝達/心あるコピー
2 デジタル社会のジャポニスム
IT革命の旗手たち/ハッカー文化と日本文化/ラクダの贈り物/連歌の大事/日本の貢献
3 クリエーションからレクリエーションへ
マンガ・アニメの広がり/アニメ・ミュージックビデオのゆくえ/デファクト・スタンダードのとりかた/独創主義の弊害/再創主義のすすめ
参考文献
あとがき
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