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連句は、前句が作り出す意味を意図的に読み替えて新たな世界を作り出す文芸である。発句より連句に絶対の自信を持っていた芭蕉が、一座をいかに捌き変化する世界を作り上げたかを検証する。
〈目次〉
第一章 言葉の出会い──読むということ
1 言葉の発見──妙なる屍
言葉が立ち現れる時/妙なる屍/『卒業』自立的な存在としての言葉
2 匂いが出る言葉・受け止める心
下京や/思へば年の敵かな/一句の作者/作者の中の読者・読者としての作者
3 他者との架橋──読むということ
月の客/作者その心を知らざりけり/雪の都・花の都/作者という秘儀
第二章 連句というコミュニケーション
1 連句とは何か
俳諧においては老翁が骨髄/連句「月光」の巻/読者から作者へ 連句の魅力/一句……連句の魅力(イ)/「鳶の羽も」歌仙抄/余白を読む
2 付けるということ
聞こゆる鐘のいづくなるらん/作者の意図から離れる言葉/連句を「読む」ということ/作者の意図、読者の読み/自句の解釈
3 言葉と言葉の繋がり──付合を繋ぐもの
韻文の解釈/釈するところの分別/読みの成長/折に触れ事に従ひ、月の光も変はりゆくものなり/連想のネットワーク/『俳諧類船集』──ネットワークの増補/連想と新しみ
第三章 付けの方法・転じの方法
1 付合の方法
付け方/物付・心付/位/本情/移り・匂ひ・響き/付けやうの塩梅/芭蕉の付合の方法
2 動く中心──転じの方法
歌仙は三十六歩なり/不句の競作/転じのメカニズム/転じの要点/七名八体/跳躍する言葉
第四章 芭蕉連句の世界──コミュニケーションの実際
1 連句の作法
連句の構成/歌仙式 ─「市中は」歌仙─/式目
2 「市中は」歌仙抄──芭蕉の連句の何をどう読むのか
『猿蓑』/「市中は」歌仙の成立/客発句・亭主脇/「市中は」歌仙の場/風塵を厭ふ趣意/表六句の展開/コーディネイター芭蕉/軽快な展開/『撰集抄』の面影/詩の心に適う/漂泊者の自画像
第五章 芭蕉付句抄
春/夏/秋/冬/旅/恋/結婚/親子/流人・遁世・釈教/病/性情/酒/風流/神祇など
あとがき
引用句索引
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