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「楠山正雄の戦中・戦後日記」及び「楠山正雄の戦中・戦後日記追補」は、明治から大正、昭和初期と三代にわたる 66 年間を、辞典編集、演劇活動、児童文学と三つの分野で活躍した楠山正雄の生涯をその日記をもとに正雄の三男である楠山三香男が編集したものである。楠山正雄は明治17年(1884)年東京に生まれた。39(1906)年早稲田大学卒業。22歳で早稲田文学社に入社、『文芸百科全書』の編集に携わり完成する。その業績により坪内逍遥の推薦で44(1911)年、冨山房に入社し、大隈重信が主催する雑誌『新日本』の編集主任となる。通巻84号で同誌を終了した後、冨山房社長坂本嘉治馬の依頼に応え、児童向けの叢書「新訳絵入模範家庭文庫」全24冊を編集、自らも「イソップ物語」「日本童話宝玉集」上下「世界童話宝玉集」「少年ルミと母親」を執筆し、児童文学史上に大きな業績を残す。更に編集主任として、「日本家庭大百科事彙」全4巻を昭和6(1931)年に、「国民百科大辞典」全15巻を昭和13(1938)年に完成した。冨山房の創業者坂本嘉治馬と共に名著を世に送り続けた人である。
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