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教育勅語とその護教論=国民道徳論の圧力により、日本の近代倫理[学]は、福澤、大西祝(はじめ)以降、〈屈折〉を余儀なくされる。それを第一部で、井上哲次郎、内村鑑三、和辻哲郎について検証・論述し、第二部で、近代倫理の奮闘する現代的諸相(道徳教育、被爆者、戦後五十年、学徒出陣)を確認しつつ、〈日本的エートス〉の根底的克服をめざす。
目次
序章 内発的開国の源流 ──通詞・堀達之助の周辺──
序 《moral science》としての蘭学・英学
一 近代的倫理の強要──ペリー艦隊応接──
二 内発的開国の先駆──通詞の役割──
三 「開クベキモ蘭学、恐ルベキモ蘭学」──驚異と脅威の両面感情──
四 借用造語としての近代日本語──『英和対訳袖珍辞書』など──
結び
【補註】──蘭学から、漢語を介して英学へ──
第I部 近代倫理学の屈折
第一章 大西祝 ──近代倫理学の形成──
はじめに
一 永久革命としての「批評」
二 教育勅語と倫理学説
三 『良心起原論』
四 良心論の特色(大西・井上・内村・和辻)
第二章 井上哲次郎 ──国民道徳論への屈折──
序 近代日本における倫理学の特殊性
一 国民道徳論の形成
二 『国民道徳概論』の内容──伝統的国体論──
三 井上哲次郎の“受難”
四 国民道徳論の行方
第三章 内村鑑三 ──神律による自律──
一 「国民道徳論」による近代市民倫理学の屈折
二 プロテスタンティズムとの格闘──忠誠の解体と再編──
三 近代的エートス
四 再臨論と近代批判
〔付論〕内村鑑三の平和思想──信仰と倫理──【報告】
別の選択への想像力
第四章 出陣学徒と近代倫理 ──『わだつみのこえ』を聴く──
序 学徒出陣の概況
I 環境(入学~入営)
II 主体
III 他者
IV 国家など
結び 人間性謳歌と問題点
あとがき
人名索引(巻末)
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