混迷を極める紀元前9世紀イスラエル。指物師のエリヤは、子供の頃から守護天使の声を聞き、ビジョンを見て育った。ある日、私の言、「私の言葉が果たされぬ間は、雨も露も一滴も降らないであろう」という大いなる啓示を受け、エリヤは王に進言をするが、運命が彼に与えたのは、苦難と使命だった。人は自分の運命に向かって旅する時、しばしば道を変えざるを得なくなる――。旧約聖書の時代から蘇る、愛と勇気、そして運命の獲得の物語。
『第五の山』は、作者パウロ・コエーリョの第七作目の作品ですが、日本に紹介された作品としては、第四作目にあたります。コエーリョは敬虔なカソリック信者であり、また、カソリックに属する神秘主義教団の―つであるRAM教団にも属しています。それもあって、彼の今までの作品の多くは、キリスト教の色彩と神秘主義的な香りを合わせもつものになっています。この『第五の山』はその中でも、特にキリスト教的色彩の濃い作品と言えるかもしれません。(訳者あとがきより)
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