アーレントは、フェミニスト理論にとっていったいいかなる今日性/関連性を持ち得ているのだろうか。ホーニッグ、ディーツ、ピトキン、ベンハビブ、カプラン、ディッシュら気鋭のフェミニストが「フェミニズムにおけるアーレント問題」に焦点を当て、身体、セクシュアリティ、アイデンティティ、欲望、差異、そして政治そのものに必要な諸条件を再考しようとする、刺激的な論集。
目次
日本の読者のみなさんへ ボニー・ホーニッグ
日本語版序文 ボニー・ホーニッグ
第1章 フェミニストによるハンナ・アーレント理解
メアリー・G・ディーツ
ハンナ・アーレントのジェンダー化
男根中心的なアーレント
女性中心的なアーレント
ジェンダーの二項対立の図式を克服すること
アーレントの政治を(脱)ジェンダー化すること
実存的に語ること
第2章 画一主義(コンフォーミズム)、家政、そしてブラッブの襲撃
──ハンナ・アーレントにおける社会的なるものという概念の起源
ハンナ・フェニケル・ピトキン
『人間の条件』における社会的なるものの概念
『ラーエル・ファルンハーゲン』における『社会』
社会的なるものの伝記における起源
ニューヨーク論文における「社会」
結論:母であるブラッブ
第3章 パーリアと彼女の影
──ハンナ・アーレントによるラーエル・ファルンハーゲンの伝記
ィッシュ
本訳書について(岡野八代)
あとがきにかえて(志水紀代子)
人名索引
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