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作品全体に響きわたる魂を揺さぶる声の正体は? 多くの文学、思想、宗教等から影響を受けたイェイツは、ロマン派の継承者、象徴主義者、神秘主義者、現代詩人、アイルランド独立の旗手、アングロ・アイリッシュの苦悩者、東洋と西洋の橋渡し人などの多面性を持つ。そのため、全体像を貫く本質的個性とは何かが見えにくくなっていた。本書は、そのペルソナを繋ぐものとして想像力をあげ、〈生を逆説として映す死の鏡〉を用意した作品世界に光を当てる。
◆主な目次
夢からの逃避としての夢
秘められた夢の名前ケルブと〈夢の沈黙〉
夢の変貌と夢の責任
夢の心象化とケルブ
夢の心象を破壊するもの
楽園か、煉獄か、「ビザンティウム」、夢の航路へ
〈実存の夢〉としての詩「動揺」
悲劇における夢の生成と〈夢幻能〉との出会い
『煉獄』の中の夢の主体性
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