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タンパク質はコンパクトに折れたたまり、特異的な立体構造に基づいて多彩な機能を発揮する。これらの代表が酵素や抗体である。ところが、タンパク質の立体構造の基本的な特徴は、むしろ特異性とは相反する不安定さ、柔軟性、曖昧さである。タンパク質は進化の中で、このような扱いにくい基本的特徴を巧みにあやつり、みごとな立体構造を作り上げ、さらにそのうえで、他ではまねのできない効率のよい機能を達成することに成功した。あるいは、不安定さや柔軟性は、高度な特異性や機能を発揮するための必要不可欠な要素なのかもしれない。進化の中でタンパク質が経験し、獲得したことがらを学ぶことができれば、天然のタンパク質以上の機能性タンパク質を分子設計することも夢ではない。
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