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活性酸素種や活性窒素種はいずれも両刃の剣の作用をもち、善玉、悪玉として生体に作用する。最近これらの分子種の生体での役割が次第に明らかになってきた。これまで多くの病気、がん、動脈硬化、糖尿病、神経変性疾患をはじめさまざまな炎症性疾患での役割などが論じられてきたが、具体的な証拠は必ずしも明らかではなかった。最近になり、活性酸素種や活性窒素種がシグナル分子となり多くの遺伝子の発現が制御され、またこれらの制御には、細胞のいわゆるレドックス(酸化還元)状態が鍵となることがわかってきた。本書はその最新の研究の流れを紹介するとともに将来への研究の展望も述べる。
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