現在、広く用いられている有機合成の方法を、主として反応の形式、さらに必要により反応機構の面から分類し、系統的に説明した。 取り上げられている有機合成法は、主として実験室で行われる方法であり、大学での合成実験や卒業実験の内容に直結する内容をもっている。 合成反応の形式的・現象的な説明だけでなく、反応機構に立ち入って反応の進む様子がよく理解できるように配慮した。 最初の2章で、有機合成反応の理解に必要な有機化合物の構造および有機化学反応の基本的な事項についてまとめ、解説した。 したがって、本書を1章から始めれば、有機化学の全体を有機合成の観点から学習するために用いることができる。 記述の仕方は十分平易に努めたので、有機化学に対する初学者でも十分理解できるように配慮した。
最後の終章に、有機合成の分野で特に最近問題になっている3つの話題“レトロシンセス”“コンビナトリアルケミストリー”“グリーンケミストリー”を取り上げて解説した。これらの話題は今後の有機合成化学の発展の方向を示すものである。
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