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故国からの亡命と亡命後の闘いの記録。信望ある女医として医療活動に献身してきた著者が、公民権を剥奪され、絶望の渕に追いやられながらも誇り高く運命に立ち向かう感動の書。
目次
序章 ヴォルフガング・ベンツ
I 卒寿を迎えるヘルタ・ナートルフの祝賀記事とナチズムのユダヤ人政策
II アインシュタイン家の人びととナートルフ一家
III へルタ・ナートルフの『日記』とアンネ・フランクの『日記』
X-デーの目撃者の証言-良きドイツ人たち
IV ヘルタ・ナートルフの回想録-ヒトラー政権誕生まで
男子校に通うたったひとりの女の子/ハイデルベルク大学で医学を勉強/ドイツ赤十字の産院・乳児院の院長に/そして結婚、ハインツの誕生
V この『日記』の出版について
序章の注
日記
一九三三年 ヒトラーが宰相に/「さあ、これからは変わるぞ」/ユダヤ人ボイコット/「ユダヤ人の店では買うな」/「ユダヤ人の医者にはかかるな」/健康保険医の資格剥奪/「先生はユダヤ人には見えないわ」
一九三四年 ユダヤ人迫害始まる/前首相フォン・シュライヒャー将軍の殺害/フォン・ブレードウ夫人のただならぬ様子/殴打、家宅捜索、逮捕者がいたるところで/ナチの医者はユダヤ人を診ない/またしても自殺者
一九三五年 国民皆兵の義務/ニュルンベルクの党大会/民族保護法成立/診療時間は苦痛だ/沈黙と忍耐、それがわれわれの運命だ
一九三六年 いたると強、だが夫は/私は川辺に佇んだ、ハドソン川が私を招く
一九四二年 ありったけ働いて最低の報酬/ユダヤ人クラブで講演、介護講習を開く/夫の診療助手に-私がどんな気持ちでいるか彼にはわからない/女性グループの会長に/毎週ラジオで講演/「故郷はいずこに」とみんな自問している/医師への復帰は難しすぎる
一九四四年 息子がアメリカ陸軍の兵隊に-私は昼に夜に祈っている/戦場からのニュースは身の毛もよだつ/パリが陥落した/「時の過ぎ行くままにゆだねよ」(フォンターネ)
一九四五年 諸々の出来事が世界を震撼/戦争が終わった、しかし平和は/私は援助活動をもうまた計画している
日記の注
ペーパーバック版へのあとがき ヴォルフガング・ベンツ
訳者あとがき
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