中国
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書壇が空前のにぎわいをみせた清代。その華麗で個性豊かな名筆を臨書。
書道における清代は、全般的には前半期に帖学の興隆があり、後半期には儒教の見直しもあって考証学が興り金石学が盛んになった時代である。 この時代は、文化的に強い指導力を発揮した康煕帝・乾隆帝の名君二皇帝の下、また商業の発達に伴って出現した豪商の支援を得て、更には甲骨文の発見や敦煌の発掘、漢・晋代の木簡の出土などもあって、思想的に碑学派が大きな勢力となる時代のうねりの中で、■石如・趙之謙を軸に書壇は空前のにぎわいをみせる。 また、清代文墨界最後の巨星・呉昌碩が我が国の文人と深い交流を持ち、その書画篆刻が現代書道に大きな影響を与えたこと、また、口絵にとり上げた「張廉卿千字文」は張廉卿から直門であった宮島詠士に直接与えられたものであるなど、それまでの時代が歴史の中にあったのに対し、現代の日本書壇に直結する時代であることが我々にとって特別に親近感を覚えさせることは言をまたない。 そうした、華麗で独創的、多様で個性豊かな清代三百年の名筆を取り上げ、現代を代表する書家が創作に向けて「印象的、写実的、表現的」に臨書する。
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