取り寄せ不可
美術の極意は「考えるな、食べろ、着こなせ!」そこから発見の旅がはじまる──巨匠は上手か。ウォーホルはポップか。似ていることは悪いのか。常識を解体し「地球美術史」の地平を新たに開く快著。
美術館とバーゲン会場──抽象画に話をかぎって言いますと、私たちはそれを「見よう」とするから難しく感じるわけです。いくら見ても、わけのわからないイメージが描きなぐってあるだけです。だからこれからは、抽象画を見ても「あんなものはプリントされた柄だ」とたかをくくればよい。そうすれば、その柄物の布を自分は着てみたいか、着てみたくないか、着てみたいとすればどんな服のデザインにするか、着るとすれば夜か昼か、だがまてよ、私よりも友人のなんとかさんのほうが似あうかも、などと、さまざまな思案をいっきにかけめぐらせて、衝動買いしたりできるわけです。はっきり言って、デパートのバーゲン会場で、これはなにを意味するかなんてぐずぐず「考えて」いたら、欲しいものはどんどんなくなっていきます。「美術とは着るものである」のですから、ともかく似あうとか似あわないとかに憂き身をやつしていればいい。肌にあうかあわないか、着心地はどうかと、触覚的感覚を全開にさせておけば、「考える」ことを迂回しても美術とじゅうぶんつきあっていけるのです。──本書より
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