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600点の図版と1000項目の詳細な解説による源氏物語有職故実事典
現代文学を読むのとは違って、古典文学を読んだり、学んだりするにあたっては 、ある程度の予備知識が必要となって来よう。高校の授業で学んだり、受験勉強で覚えた文語文法や古語の知識がそれである。しかしもう1つ必要なものに「有職故実」に関する知識がある。これは、朝廷や武家の生活上のしきたりや決まりをいうが、もっと広く、当時の人々の生活の様相全般にまで及んだほうがよいだろう。 本書は「源氏物語」に現われる有職関係の語句を網羅的に抽出した1000項目を、以下の13章に分類した。①平安京と宮殿 ②建築物 ③調度品 ④乗物 ⑤衣服 ⑥色と文様 ⑦音楽・舞楽 ⑧遊戯・娯楽 ⑨ 信仰 ⑩行事 ⑪通過儀礼 ⑫貴族生活の諸相 ⑬動植物、である。280枚のカラー写真と320点のモノクロ図版を駆使して それぞれの項目を詳しく解説した。絵中心の図録や、文献による説明に片寄った専門書はいくつかあるが、一般読者を対象に、平易に興味深く読めて、さらに源氏物語の用例を踏まえて説明してあるので源氏理解にも役立つ本、このような本は他にない。古典愛読者からの「こんな本がほしかった」という声を待望している。
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