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1000年の伝統をもち、今も華麗に輝くイギリス王室。「残虐非道」のヘンリー8世、自信家の処女王エリザベス1世、快楽の王子ジョージ4世など、大英帝国の栄光を築いた強烈な個性たちを描く。
イギリス王室の「伝統」――ウィリアム1世から数えれば約900年、全ヨーロッパに華麗なネットワークをもつに至ったイギリス王室だが、……王室史をひもとくとき驚くのは、歴代の国王にずいぶんいろいろな性格をもった人間、それもいささか破天荒な人物が多いということである。詳しくは本文に譲るけれども、まず目立つのが好色というのか、ともかく色事にかかわる話題を提供してくれる国王が数多い。……ヘンリー8世を筆頭として、現在のチャールズ(たぶんいずれ国王になるだろう)に至るまで、程度の差はあれ色がらみの話はこの王室の伝統という気がする。けれどもこのことと同時にあえてつけ加えておきたいのは、国王あるいは王室の人間が、イギリス最高の貴族としてそれなりの義務も果たしているという点である。たとえば第8章にとりあげる在位わずか1年足らずだったエドワード8世、ウィンザー公だとて、女遊びのあいまに世界各地をとびまわり(あるいはこの逆といったらいいか)、親善訪問によってイギリスという国の宣伝にこれつとめていた。――本書より
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