取り寄せ不可
数奇なる運命の鮮やかな転変
送別の宴はおわった。夜明けまであまり時がない。夜具にはいった風洪、いや白圭が、ねむりに沈もうとしたとき、人のけはいがした。人のけはいは、足音をともなっていた。――翡媛か。部屋の空気がゆれた。そのゆれは白圭の夜具を浮かし、しなやかなものをすべりこませた。ことばはない。……しずかなたゆたいがつづいている。女ははげしいしあわせに襲われた。なにかがくだけたように感じた。が、そのくだけたものは惜しいわけでもなく、くだけたもののかわりになにかが明瞭にみえてきそうであった。――本文から
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