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「近代」の旗標の下、世界史をリードしてきたヨーロッパに起きている大変動。東欧市民革命、ソ連の消滅、EC統合……。合理主義、ヒューマニズム、科学への信頼など、「近代」を支えた価値のゆらぎと行き詰まりの中で、ヨーロッパはどこに向かうのか? 歴史の読み直しを通して新たな座標軸をさぐる。
問い直される「近代」――人類の歴史は、まことに自由拡大の歴史であった。その歩みは、ひとときも留るところを知らず、飽くなき前進を続けてきたかにみえる。むろん、ときに歩調を速めることもあったし、停滞することもあった。そして、長い曲折を経て、ひとつの到達点を示したのが「近代」という時代であった。「近代」は、自由を、人類のめざすべき目標のひとつとして、自覚的に提示してみせたのである。だが、終局と思われたその到達点も、じつは悠久に続く長い道行のなかの通過点、里程標にすぎないことがはっきりしてきたのである。「近代」の示したさまざまな試みが、有効性のすくないことを認められつつも、幾重にも纏った信頼感の衣が綻び始め、いま問い返しが迫られるようになっているからだ。――本書より
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